宇宙はブラックホールであるという仮説についての一考察
ニュートン力学と特殊相対性理論からのアプローチ
DOI:
https://doi.org/10.51094/jxiv.63キーワード:
ブラックホール、 シュワルツシルト半径、 事象の地平線、 ニュートン力学、 特殊相対性理論、 赤方偏移、 ビッグバン抄録
宇宙論は現代においても様々なモデルが提案されているが、今回「宇宙は一つの巨大なブラックホールである」と解釈する一説に対して、ニュートン力学と特殊相対性理論を用いて議論した。事象の地平線が観測点のポテンシャルによってシフトすると考えることでブラックホール宇宙モデルが解釈され、そこから観測可能な宇宙の質量は2.49×1053 kgと見積もられた。また今回の議論から、遠方の天体の赤方偏移はドップラーシフトによるものではなく、ブラックホール近傍における重力赤方偏移と等価なものであり、なおかつ宇宙のインフレーションは必ずしも天体同士が遠ざかる(空間が膨張する)ものではなく、シュワルツシルト半径が拡大している、という解釈を得た。
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投稿日時: 2022-05-05 20:20:45 UTC
公開日時: 2022-05-17 08:11:13 UTC — 2024-02-05 08:25:57 UTCに更新
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