1970年代における天文学の最新の研究成果が 一般社会へ浸透するタイムスケールの推定
学校教育におけるレポートの研究対象としての新たな価値
DOI:
https://doi.org/10.51094/jxiv.1019キーワード:
天文教育史、 天文普及、 レポート、 調べ学習抄録
1972年に一般の中学生が作成した宇宙に関する調べ学習のレポートが発見された。このような学校教育におけるレポートという資料は、今まで研究対象として見なされてこなかったが、研究論文や新聞報道などと異なり、SNSがなかった時代における一般市民からの情報発信に基づき、一般の科学認知レベルを推定する上で貴重な資料になりうるものである。また、このような資料が電子化され保存コストが大きく下がった現在において、今後もこのような資料が多く見つかってくると想定されるため、当時を知る人物が多く存命な今のうちに、資料から読み解かれる当時の社会状況も付加して資料の価値を定めておくことも重要である。そこで本研究では、当該レポートから、当時の中学生が調べてアクセスできる程度に一般社会に普及し浸透している天文や宇宙に関する専門知識などの知見や理解(当時の天文観)を読み解くことで、「学校教育におけるレポート」という資料の研究対象としての価値について議論する。その一環として、当該レポートの中で語られている月までの距離測定や最遠方天体に対する記述と、当時の最新の研究成果を比較することで、天文に関する最新の研究成果が一般社会に普及し浸透するタイムスケールを4年以上7年以下と推定した。
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投稿日時: 2025-01-14 15:31:43 UTC
公開日時: 2025-01-17 10:26:31 UTC
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