がん相談支援センターでの多職種連携による就労支援に関する実態調査

抄録

本研究の目的は、がん相談支援センターでの就労支援に関する多職種間の連携の実態を明らかにし、就労支援を行う上での看護師の役割を検討する。A 病院がん相談支援センター に勤務する、就労に関する相談の実務経験がある看護師、社会保険労務士に、半構造面接法によるインタビュー調査を実施した。分析には KH Coder®を使用し、共起分析を行った。その結果、看護師 1 名、社会保険労務士 1 名の協力が得られた。社会保険労務士の語りでは、『がん相談支援センターにおける就労支援に関する多職種連携』など 7 個のサブグラフが 抽出された。看護師の語りでは、『スタッフ間の就労支援に関する情報提供』『がん相談支援センターでの就労支援の体制』など 8 個のサブグラフが抽出された。就労支援における看護師の役割は、患者の身体面への支援をベースに、早期から意図的に就労や経済面に関する話題と必要な情報提供を行い適切な職種に繋げながらがん患者をサポートしていくことが求められる。