宗教と保育

キリスト教保育・仏教保育における保育理念の検討

抄録

わが国の保育・幼児教育の歴史的変遷を概観すると、宗教と強い結びつきがあることがわかる。本研究では宗教主義保育における保育理念（目標・特色等）の分析を行い、キリスト教・仏教それぞれの保育が持つ宗教性、価値観を明らかにした。方法は、キリスト教・仏教それぞれの宗教主義保育・幼児教育関連施設を40園選抜し、示されている保育理念を抽出した。それらをテキストマイニングにより分析し、単語頻出度と「保育」との共起回数を求めた。分析の結果、キリスト教保育においては、感謝や礼拝、聖書、愛を大切にしていることが示唆された。仏教保育においては、感謝やいのち、思いやり、協力や集団生活を大切にしていることが示唆された。