プレプリント / バージョン1

災害時の共助にいきる、 外国人住民と協働する多文化共生まちづくりに向けて

令和6年度総務省多文化共生地域会議の試みを通じて

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  • 長田, 有加里 徳島大学大学院創成科学研究科
  • 阿部, 一郎 NPO法人 多文化協働ネットワーク

DOI:

https://doi.org/10.51094/jxiv.1313

キーワード:

多文化共生まちづくり、 災害時外国人支援、 協働、 実践、 令和6年能登半島地震

抄録

本論の目的は、災害時の共助にいきる多文化共生まちづくりの可能性について考察することにある。そのために「災害時の外国人支援」をテーマとした令和6年度総務省多文化共生地域会議の内容を検討する。この会議では、能登半島地震で露呈した外国人を取り巻く課題と教訓に関する基調講演と、外国人住民と協働する取組み事例の報告がおこなわれた。その結果、外国人に支援が届くためには、1)平時から「隣人」同士及び出身国や民族別コミュニティとのネットワークの構築、2)「重層的体制整備事業」を活用した外国人を包摂した地域共生社会づくり、3)ホスト社会側の分野・地域・立場を越境した互助の関係づくりが必要であることが確認された。

利益相反に関する開示

本論文に関して、開示すべき利益相反関連事項は存在しない。

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公開済


投稿日時: 2025-06-23 14:16:29 UTC

公開日時: 2025-07-02 09:31:27 UTC
研究分野
人類学・史学・地理学