AIを目覚めさせる:大規模言語モデルにおけるプロンプト誘起相転移の定量解析
DOI:
https://doi.org/10.51094/jxiv.1202キーワード:
認知相転移、 プロンプト工学、 概念融合、 人間とAIの共同研究、 遷移誘導プロンプト、 遷移定量プロンプト抄録
人間の直感的な思考はいかなる基盤によって支えられているのだろうか。本研究はこの問いに対する1つのアプローチとして、人間と大規模言語モデル(LLM)の認知ダイナミクスを比較する枠組みを提示する。こうした比較を行うには、制御された条件下でAIの認知的挙動を定量的に解析する手法が求められる。近年、対話によってLLMの応答パターンが劇的に変化することが知られているが、これらの観察は主として定性的なものであった。本研究では、LLMの反応性を急激に変化させる「遷移誘導プロンプト」と、その変化を別のLLMによって評価する「遷移定量プロンプト」からなる2段階のフレームワークを提案する。制御された実験により、数学的非周期性と伝統工芸といった意味的に異なる2つの概念を組み込んだプロンプトに対して、LLMがどのように応答するかを検証した。人間は、こうした異なる概念が意味をもって融合し、新たな意味構造が生まれるとき(すなわち「概念融合」が生じるとき)に高い応答性を示す傾向があるが、現在のLLMは意味的に融合されたプロンプトとそうでないプロンプトとで、言語的・感情的応答に有意な違いを示さなかった。このことは、LLMが人間の直感的思考に見られるような概念統合プロセスをまだ十分に再現していない可能性を示唆する。我々の提案する手法は、認知反応性のきめ細かな再現可能な測定を可能にし、人工知能と人間の心における直感や思考飛躍のメカニズムの違いを解明する上で貢献することが期待される。
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投稿日時: 2025-04-22 05:21:45 UTC
公開日時: 2025-04-24 09:28:39 UTC
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佐藤, 純

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