プレプリント / バージョン3

卒業論文における字数制約について:人的資本の観点から

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  • 澤田, 健佑 早稲田大学社会科学部
  • 北川, 梨津 コロンビア大学経済学部・コロンビアビジネススクール

DOI:

https://doi.org/10.51094/jxiv.1087

キーワード:

卒業論文、 字数制約、 プリンシパル=エージェント問題

抄録

本稿は,学部教育における卒業論文の最低字数制約が学生の人的資本投資に与える影響を理論的に分析する。卒業論文生産を人的資本投資の機会として捉え,研究調査と論文執筆の活動を区別したうえで,最低字数制約の設定を学部長が複数の教員に学生の卒業論文指導を委任するプリンシパル=エージェント問題として定式化した。分析の結果,教員に学生への指導が甘いタイプが含まれる場合には,ファースト・ベストにおいて実現する字数より大きい最低字数制約が望ましくなる可能性が示された。また,望ましい最低字数制約は,研究調査活動によって身に付くスキルの限界収益が高いほど小さくなり,甘い教員が多いほど大きくなるということも明らかになった。これらの知見は,大学教育における卒業論文の評価基準や指導方法を再考するうえで有用な示唆を与える。

利益相反に関する開示

本著者には申告すべき利益相反はありません。

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引用文献

清水崇. (2017). 「卒業論文における字数制約について」.『國民經濟雜誌』, 216(5), 23-30.

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公開済


投稿日時: 2025-02-13 16:51:53 UTC

公開日時: 2025-02-25 01:03:40 UTC — 2025-03-07 01:11:28 UTCに更新

バージョン

改版理由

要旨の4つ目の文が若干曖昧であったため修正した。引用文献の雑誌名に誤植があったため修正した。
研究分野
経済学・経営学