企業による技術バズワードの採用行動

「DX認定」「DX銘柄」取得行動に及ぼす要因の分析

抄録

本研究は、「技術バズワード」はどのような企業が採用のアピールをするのか、また、どのような企業が実際に実践し社会から評価されるのか、を明らかにするものである。本研究における「技術バズワード」とは、(1)定義が曖昧だが急速に普及している、(2)情報通信技術を対象としている、(3)公的認証制度の管理下にある、の3点に該当する事象である。
本研究の分析に際しては「DX認定」と「DX銘柄」を「技術バズワード」と定義し、これらの取得企業に焦点をあて、各社の業績・財務データ、設立年等の情報をもとに分析を行った。
その結果、「戦前（1945年以前）に設立された企業」と「非情報通信系企業」は、「技術バズワード」の採用を積極的にアピールする反面で、実践し評価される点では劣後することが明らかになった。また、「営業キャッシュフローが中央値以上の企業」、「売上純利益率が中央値以下の企業」、「投資キャッシュフローが中央値以下の企業」は、「技術バズワード」の採用を積極的にアピールし、且つ実践し評価される傾向が高いことが明らかになった。