車椅子乗員拘束システムにおける荷重経路設計の考察
シートベルト付き車椅子を例として
DOI:
https://doi.org/10.51094/jxiv.5470キーワード:
車椅子乗員、 拘束システム、 荷重経路、 シートベルト、 衝突安全、 固縛、 車椅子固定抄録
著者らは先行研究において、車椅子乗員の衝突安全性を成立させる要件として、
- 適切なアンカレッジ
- 適切な荷重経路
- 適切な挙動コントロール
の3要素を提案した。
これらのうち、アンカレッジおよび挙動コントロールは主として乗員傷害低減を目的とする要素である。一方、荷重経路は拘束システムそのものを成立させるための構造要件であり、発生した拘束荷重をどのように支持構造へ伝達するかを決定する。
本研究ではシートベルト付き車椅子を例として荷重経路に着目し、従来型福祉車両の拘束システムとの比較を行った。
その結果、従来構造では拘束荷重が車両だけでなく車椅子構造にも流入することで、拘束性能および構造成立性の両面に課題を有することが確認された。
さらに、アンカー兼固縛プレートを用いた構造においては、拘束荷重を車両へ直接伝達する荷重経路を構成できることを示した。
またCAE解析により、AM50条件では腰部支持部に約12kN×2、肩部支持部に約7kNの支持能力が必要となることを確認した。
本研究は、車椅子乗員安全における荷重経路の設計要件を具体化するとともに、将来の車両側再設計を含む拘束システム設計に対する基盤的知見を提供するものである。
利益相反に関する開示
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引用文献
一杉 正仁, 桑原 歩夢, 福祉車両に乗車する車椅子利用者の安全性―安全な拘束装置の提案―, 自動車技術, Vol. 79, No.6, pp.124–130, 2025
一杉 正仁, 桑原 歩夢, 車椅子乗員の安全確保に向けた拘束装置の提案, 自動車技術会 2025年春季大会学術講演会予稿集, No. 79-25, 2025
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桑原 歩夢, 一杉 正仁, 車椅子乗員の死亡事故についての検討―より効果的なシートベルト装置の提言―, 日本交通科学学会誌, Vol. 23, No. 1, pp.24–32, 2023
吉井 勝司, 車椅子乗員の衝突安全性を成立させる拘束系成立条件の導出と要素分解, Jxiv, 2026. https://jxiv.jst.go.jp/index.php/jxiv/preprint/view/4729
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投稿日時: 2026-07-10 05:53:12 UTC
公開日時: 2026-07-15 06:04:33 UTC
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吉井, 勝司
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