プレプリント / バージョン1

警察庁交通事故統計情報オープンデータに基づく4輪車相互事故の衝突部位推定モデルの構築 ― 多層補集合モデルによる確率分布推定と衝突部位形成構造の探索 ―

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DOI:

https://doi.org/10.51094/jxiv.6882

キーワード:

交通事故、 衝突部位、 確率分布、 KnowHowモデル、 多層補集合、 DOE、 見取り図

抄録

本研究では、4輪車相互事故を対象として、道路構造、環境条件および当事者条件から、衝突部位の確率分布を推定するモデルA1を構築した。衝突部位は車両損壊や搭乗者外傷に関連する重要な情報であるが、事故条件から一意に決定されるものではなく、複数方向の可能性を持つ。本研究では、その可能性を確率分布として表現した。

A1は、自分車両の衝突部位推定(A1a)、自分車両の多重衝突推定(A1b)、相手車両の衝突部位推定(A1c)、相手車両の多重衝突推定(A1d)の4つのサブモデルで構成される。モデル構築にあたっては、各説明変数と衝突部位の関係を、人が理解可能な小さなKnowHowモデルとして整理し、これらを多層補集合として統合する構成を採用した。本研究で扱う小さなモデルは観測データから作成したものであるが、KnowHowを明示的なモデルとして表現し、その統合結果を検証できる構成を目指した。

モデルの評価では、個々の事故について最大確率の衝突方向と観測方向が一致するかだけではなく、観測分布と推定分布の総量整合性、および説明変数の水準別に見た方向構造の再現性を確認した。提供された検証結果では、A1aについて全403,532件の観測構成比と推定構成比がほぼ一致し、条件別の相対構造の比較では全件で相関係数0.908、テスト事故ID群で0.862が得られている。ただし、これらは主として分布および構造の整合性を示す結果であり、各事故に付与した確率の信頼性や、モデル構築工程全体から独立した予測性能とは区別する必要がある。

さらに、成立しにくい条件の組み合わせをできるだけ除外したDOE(Design of Experiments)を作成し、推定分布の平均と水準別分布との差をTV距離で整理した。この結果を具体的な条件の組み合わせに対する推定結果と併せて可視化し、衝突部位分布の見取り図を構築した。

本研究は、A1を衝突状況の探索・理解に用いる独立したモデルとして位置付けるとともに、将来的な損壊度モデル(A2)および外傷リスクモデル(B)への接続を見据えた基盤モデルとして、その構築方法、検証方法および可視化方法を示すものである。

利益相反に関する開示

本研究に関して、開示すべき利益相反はありません。

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公開済


投稿日時: 2026-10-18 23:58:30 UTC

公開日時: 2026-11-05 06:11:38 UTC
研究分野
一般工学・総合工学