落下でも始まりでもなく
起源の物語が持ち込む方向と、構えとしての位置
DOI:
https://doi.org/10.51094/jxiv.6642キーワード:
構え、 起源の物語、 時間の矢、 現象化、 区切り、 クオリア抄録
宇宙の起源をめぐる物語は、「無から有が生じた」「根源から現象世界へ落ちた」といった形をとることが多い。本稿は、これらの起源の物語が、説明すべき当のもの、すなわち前と後、こちらとあちら、方向を、説明の前提として最初から持ち込んでいることを示す。必要なのはより良い起源ではなく、問いの向きを変えることである。「始まりの前に何があったか」ではなく、「どのような条件のもとで、世界は前と方向をもつものとして現れるのか」を問う。本稿はその条件を「構え」と呼び、既発表の枠組み(Awata 2026a)における定義を引き継ぐ。まず、勾配があることと何かが勾配を移動したことを区別する。次に、等価原理と、時間の矢は視点的でありうるというロヴェッリの議論を足場に、方向が世界の側ではなく位置の側にありうることを論じる。さらに構えを、経験の生起は決めずに、どの区切りが成立しやすいかを制約する条件として定式化し、カントの感性の形式との違いを可変性に求める。本稿は時間や時空の存在を否定せず、物理理論も提案しない。最後に、構えの操作が時間の現れ方を変えるという検証可能な含意を一つ示す。
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引用文献
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投稿日時: 2026-09-30 12:30:18 UTC
公開日時: 2026-11-06 01:20:27 UTC
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粟田, 正志
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