警察庁交通事故統計情報オープンデータに基づく4輪車相互事故の高リスク事故群分析
-損壊度リスクモデルによるリスク群別因子偏在分析-
DOI:
https://doi.org/10.51094/jxiv.5782キーワード:
交通事故、 損壊度、 リスクモデル、 高リスク事故群、 偏在分析、 多層補集合、 警察庁交通事故統計情報オープンデータ抄録
本研究では、警察庁交通事故統計情報オープンデータに基づいて構築した4輪車相互事故の損壊度リスクモデルを用い、高リスク事故群に偏在する事故条件を分析した。構築済みの多層補集合型損壊度リスクモデルを403,532件の事故データへ適用し、推定損壊度に基づいて事故を10段階のリスク群へ分類した。さらに、各説明変数に含まれる因子についてリスク群別偏在分析を実施した。
その結果、リスク群の上昇に伴い実測平均損壊度は0.99から1.72まで単調増加し、推定損壊度による順位付けが実際の損壊度分布と整合することを確認した。高リスク群では、事故環境条件として深夜・早朝および積雪・凍結条件、道路構造条件として非市街地、交差点、信号なし交差点、交差点部幅員およびカーブ・屈折、自分側条件として高齢者、相手側条件として大型貨物車、衝突状況として前斜め衝突および多重衝突が偏在していた。
本研究は実際に観測された事故データを対象とした記述的分析であり、各因子の寄与量を定量評価するものではない。一方で、損壊度リスクモデルを事故条件の偏在を観察する分析装置として利用することで、高リスク事故群を特徴付ける事故条件を整理することができた。今後は人工DOEを用いて条件空間を体系的に探索し、道路リスク見取り図の構築へ展開する予定である。
利益相反に関する開示
本研究に関して、開示すべき利益相反はありません。ダウンロード *前日までの集計結果を表示します
引用文献
警察庁. 交通事故統計情報オープンデータ(2019年). 警察庁, 2020. https://www.npa.go.jp/publications/statistics/koutsuu/opendata/index_opendata.html
吉井勝司. 自動車事故における負傷・死亡リスクの新指標:既往歴と外傷以外の影響. Jxiv, 2025. https://doi.org/10.51094/jxiv.1119
吉井勝司. 交通事故における死亡リスクの多面的評価:PTDほぼ0群に対するRTSと個体要因の分析. Jxiv, 2025. https://doi.org/10.51094/jxiv.1207
吉井勝司. 人の思考様式を模した交通事故リスク推定モデルの構築とその検証. Jxiv, 2025. https://doi.org/10.51094/jxiv.1285
吉井勝司. 交通事故の“隠れたリスク構造”:外傷見取り図から考える次世代安全対策. Jxiv, 2025. https://doi.org/10.51094/jxiv.1407
小川圭一,塩見康博,川井明,和泉志津恵,宮崎祐介,吉井勝司,北口善猛,後藤寛.
滋賀県を対象とした交通事故リスク総合評価プラットフォームの開発に向けた取り組み.
交通科学, Vol.56, No.2, pp.46–50, 2025.
吉井勝司. 警察庁交通事故統計情報オープンデータに基づく4輪車相互事故の損壊度および衝突部位の構造分析. Jxiv, 2025. https://doi.org/10.51094/jxiv.1965
吉井勝司. 警察庁交通事故統計情報オープンデータに基づく4輪車相互事故の損壊度リスクモデルの構築. Jxiv, 2026. https://doi.org/10.51094/jxiv.5689
ダウンロード
公開済
投稿日時: 2026-07-28 01:11:46 UTC
公開日時: 2026-08-04 01:03:29 UTC
ライセンス
Copyright(c)2026
吉井, 勝司
この作品は、Creative Commons Attribution-NonCommercial-NoDerivatives 4.0 International Licenseの下でライセンスされています。
