プレプリント / バージョン1

小学校教員の業務分担意識に関する実証的検証

―B小学校における業務分担実践の分析を通して―

##article.authors##

  • 渡邊, 拓海 静岡県公立小学校教諭

DOI:

https://doi.org/10.51094/jxiv.5422

キーワード:

教員の専門性、 業務の効率化、 協業、 業務分担実践

抄録

本研究は小学校教員の業務分担意識を、実際の分担実践を通して明らかにした。分析の結果、教員の業務は
「専門的業務」「協働的業務」「曖昧性業務」「非専門業務」の四類型に整理された。協働的業務は、効率化と質的向上の観点から教員と支援員の協働が望まれ、非専門業務は完全な委託が選好された。一方で専門的業務は分担が望まれず、校務分掌や提出物の添削といった専門性の多様化と効率化との葛藤から四類型の境界に位置する業務も存在した。これらより、教員は業務の性質や専門性の発揮可能性など複数の基準をもとに業務分担意識が形成していることが明らかとなった。本研究結果より小学校における人的支援活用の方向性を示した。

利益相反に関する開示

利益相反なし

ダウンロード *前日までの集計結果を表示します

ダウンロード実績データは、公開の翌日以降に作成されます。

引用文献

中央教育審議会(2019年)「新しい時代の教育に向けた持続可能な学校指導・運営体制の構築のための学校における働き方改革に関する総合的な方策について(答申)」,https://www.mext.go.jp/component/b_menu/shingi/toushin/__icsFiles/afieldfile/2019/03/08/1412993_1_1.pdf,(最終閲覧日2026年6月26日)

―――(2021年)「『令和の日本型学校教育』の構築を目指して~全ての子供たちの可能性を引き出す,個別最適な学びと,協働的な学びの実現~(答申)」,https://www.mext.go.jp/content/20210126-mxt_syoto02-000012321_2-4.pdf,(最終閲覧日2026年6月24日)

―――(2025年)「【資料01―02】学校・教師が担う業務に係る3分類改定案」,https://www.mext.go.jp/content/000377100.pdf,(最終閲覧日2026年6月27日)

今津孝次郎(1992年)「教師専門職化論の新段階」,『日本教師教育学会年報』,Vol.1,pp.57-72.

―――(2019年)『教師が育つ条件』,岩波新書.

伊勢本大(2018年)「一元化される教師の語り―『教師である』とはいかに語られるか―」,『教育社会学研究』,Vol.102,pp.259-279.

石井英真(2021年)「教職の専門性と専門職性をめぐる現代的課題―劣位化・脱専門職化を超えて再専門職化の構想へ―」,『日本教師教育学会』,Vol.30,pp.40-50.

樋口修資・青木純一・坪谷美欧子(2018年)『支援スタッフで学校は変わるのかー教員との協働に関する実態調査から』,三冬社.

神林寿幸(2015年)「周辺的職務が公立小・中学校教諭の多忙感・負担感に与える影響―単位時間あたりの労働負荷に着目して―」,『日本教育経営学会紀要』,Vol.57,pp.79-93.

小島博明(2016年)「学校の業務改善の取り組み状況を分析する―『教職員の勤務負担軽減を図るための業務別改善マニュアル』の個別の改善事例の記述内容から―」,『早稲田大学大学院教育学研究科紀要』,Vol.23,No.2,pp.85-95.

久冨善之(1998年)「教師の生活・文化・意識―献身的教師像の組み替えに寄せて」,佐伯胖・黒崎勲・佐藤学・田中孝彦・浜田寿美男・藤田英典編,『岩波講座現代の教育第6巻 教師像の再構築』,岩波書店.

―――(2012年),「学校・教師と親の<教育と責任>をめぐる関係構成」,『教育社会学研究』,Vol.90,pp.43-64.

文部科学省(2023年),「全国の学校における働き方改革事例集」,https://www.mext.go.jp/content/20230320-mxt_syoto01-000028353_1.pdf,(最終閲覧日2026年6月26日)

―――(2024年),「教員勤務実態調査(令和4年度)の集計(確定値)について」,https://www.mext.go.jp/content/20240404-mxt_zaimu01-100003067-2.pdf,(最終閲覧日2026年6月24日)

―――(2025年),「OECD国際教員指導環境調査(2024)報告書のポイント」,https://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/data/Others/20251006-ope_dev02-2.pdf,(最終閲覧日2026年6月24日)

―――(2026年),「令和7年度教育委員会における学校の働き方改革のための「見える化」調査【結果概要】」,https://www.mext.go.jp/content/20260323-mxt_kyoikujinzai01-000047785.pdf,(最終閲覧日2026年6月17日)

中嶋哲彦・広田照幸(2024年)『教員の長時間勤務問題をどうする?―研究者からの提案―』,世織書房.

佐古秀一(2006年)「学校組織の個業化が教育活動に及ぼす影響とその改革方略に関する実証的研究―個業化、協働化、統制化の比較を通して―」,『鳴門教育大学研究紀要』Vol.21,pp.41-54.

佐藤学(1997年)『教師というアポリア−反省的実践へ−』,世織書房.

妹尾昌俊「多忙な先生に『やる必要のない仕事』国が示す利点、『学校の業務を仕分ける3分類』更新へ―学校の業務削減や分業が進まない5つの背景」,『東洋経済オンライン』,https://toyokeizai.net/articles/-/892041?page=4,(最終閲覧日:2025年11月18日).

白旗希実子・石井美和・荒井英治郎(2021年)「学校教師の業務に対する負担感と委託に関する意識―アンケート調査の分析から―」,『信州大学教職研究』Vol.12,pp.1-15.

内田良・広田照幸・高橋哲・嶋﨑量・斉藤ひでみ(2020年)『迷走する教員の働き方改革―変形労働時間制を考える』,岩波ブックレット.

ダウンロード

公開済


投稿日時: 2026-07-06 12:34:38 UTC

公開日時: 2026-08-06 07:42:39 UTC
研究分野
心理学・教育学