「両利きの販売」に向けた組織変革

ICTサービス事業を営むX社のケース

抄録

既存顧客との関係強化に重点を置いてきた営業組織にとって、新規顧客開拓に注力する方針に変更するには、戦略変更に止まらず、組織変革が必要となる。新規顧客開拓は多くの労力やノウハウを必要とし、困難性が高くなるのが一般的であるが、その方針変更の実効性を高めるためには、メンバーの認識面の変化も必要になる。つまり、メンバー自身が、新しい方針下における自らの営業活動に正当性を見出すことが必要となる。そして、メンバーの認識の変化を促すためのチームマネジメントには、相互承認を可能とする組織的営業の導入と目標達成への意識の向上と明確な評価による新規顧客開拓に対する組織内での正当性の付与が必要となるのである。