プレプリント / バージョン1

ブラックライト点灯下における脳波について

~スヌーズレン(Snoezelen)の生理的メカニズムを検証する~

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  • 中越, 久代 宇部フロンティア大学 学生相談室

DOI:

https://doi.org/10.51094/jxiv.386

キーワード:

スヌーズレン、 脳波、 ブラックライト

抄録

近年、世界的な問題が多数出現しており、それに伴い、人々の日常生活も一変している。目まぐるしく変化し多様化した社会生活の不適応から生じる体調不良や精神活動への影響、高齢化社会における介護や認知症の問題、精神疾患による患者数の増加、職場などにおけるメンタルヘルス対策そして発達障害などの児童・生徒に対する支援など、これまで様々な課題が考えられ、対策が求められてきた。この様な現状の改善が期待されている施設の1つに「スヌーズレン(Snoezelen)」がある。

スヌーズレンとはオランダ発祥の施設で、オランダ語で「Snuffelen=鼻でクンクン臭いを嗅ぐ」「Doezelen=ウトウトと居眠りをする」という造語である。そして一般的には、視覚・聴覚・触覚・嗅覚・味覚の五感を適度に刺激する多重感覚環境を備えた施設の事を指す。1970年代に、重度知的障害者・児の施設においてリクリエーション活動として始められたが、近年ではそれに留まらず、重度・重複障害児の教育はもとより発達障害児や、通常級での教育現場(姉崎2004,2013)や医療機関、高齢者センターなどにも導入され、その効果が実証されている(Krista Martens,2015)。

スヌーズレンの効果の要素として「感覚刺激」「リラクゼーション」などが考えられるが、現在のところ各要素の何が関連してこの効果をもたらしているのか、明確なメカニズムは明らかになってはいない(大野呂,2017)。本研究では「視覚刺激」に着目した。そこで、スヌーズレンの機材の一つとしてブラックライトを用いた。ブラックライトとは、医学、生物学、鉱物学、美術品の鑑定および真偽判定や屋内での視覚効果を利用した施設等で幅広く利用されている僅かに眼で認識出来る長波長の紫外線を照射する電灯のことである。

利益相反に関する開示

なお,本論文に関して,開示すべき利益相反関連事項はない。

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引用文献

Krista, Martens. (2015). スヌーズレンの基礎理論と実際―心を癒す多重環境の世界―. 学術研究出版.

姉崎弘(2004). 英国における障害児者へのスヌーズレンの福祉実践―WORCESTER SNOEZELEN CENTERの取り組みー. 三重大学教育実践総合センター紀要, 第24号, 121-126.

姉崎弘(2013). わが国におけるスヌーズレン教育の導入の意義と展開 特殊教育学究, 51(4), 369-379.

市川忠彦(2006). “脳波への旅への誘い” 第2版, 星和書店.

榎本みのり・有竹清夏・松浦雅人(2008).睡眠脳波と事象関連電位.生体医工学,46(2),144-148

大野呂浩志・安田万里子・眞田敏(2017). スヌーズレンの臨床的応用に関する研究動向 ―自閉症スペクトラム障害を中心に―.子ども・子育て支援 研究センター年報, 第7巻, 広島文化学園.

林隆博(2010). セロトニンと学習集中力;海馬のθリズムChild Reseaarchi Net 2010.9.22掲載

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公開済


投稿日時: 2023-05-21 00:56:57 UTC

公開日時: 2023-05-24 00:36:17 UTC
研究分野
心理学・教育学