中観派エナクティブ認知
二諦による境界の理論的整理
DOI:
https://doi.org/10.51094/jxiv.2184キーワード:
二諦、 拡張性エナクティブ認知、 ラディカルエナクティブ認知、抄録
本稿は、エナクティブ認知に内在する実体性(オートポイエーシス)と現象性(センス・メイキング)の緊張を、中観派の二諦(世俗諦・勝義諦)の枠組みで整理する。オートポイエーシスによる境界を世俗諦レベルの機能的・仮設的な実体として位置づけ、その究極的基盤を縁起に基づき勝義諦レベルで空と理解する。この二層構造により、拡張性やラディカル性といったエナクティブ認知の諸展開を統合的に説明可能とする。また、中道的態度は、科学技術という世俗諦の進展に対して、生命の非固定性という勝義諦の視点を提供し、倫理的指針を確立する。結果として、本稿は認知科学と東洋哲学の対話を深化させ、現代AI・技術倫理への批判的応用の可能性を示す。
利益相反に関する開示
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引用文献
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Varela, F. J., Thompson, E., & Rosch, E. (1991).
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Thompson, E. (2024). 『仏教は科学なのか:私が仏教徒ではない理由』(藤田一照・下西風澄監訳、護山真也訳) Evolving合同会社
原著:
Thompson, E. (2017).
Why I Am Not a Buddhist. Yale University Press.
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投稿日時: 2025-12-09 11:50:55 UTC
公開日時: 2025-12-18 02:19:10 UTC
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木邑, 寿秀
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