プレプリント / バージョン1

大学の文系学部向け教育教材:生成AIいとをかし(1)

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  • 横山, 詔一 国立国語研究所,研究系

DOI:

https://doi.org/10.51094/jxiv.1228

キーワード:

AI小説、 読み書き能力、 万葉集、 額田王、 主成分分析、 シンデレラ、 かぐや姫、 心理相談、 エニグマ暗号、 単語のベクトル表現

抄録

この教材『大学の文系学部向け教育教材:生成AIいとをかし(1)』は、大学の文系教員が授業で生成AIを活用する際の参考となるヒント集である。小説の形式を採用することで、生成AIと人間の対話や協働のあり方を物語として描いている。この教材の中心的な提案は、「AI小説」という新たな文学ジャンルを大学教育に取り入れることである。AIを単に小説執筆の道具として使用するだけではなく、一人の登場人物として描くことにより、生成AIの文学的可能性と文系学問における意義を探究することを目的としている。実際の大学授業をモデルとしつつ、教授と記者の会話に続いてChatGPTによる短編小説を配した構成により、人間とAIが共に物語を構築する「パートナー」としての関係が可視化されている。特に、古典文学や日常生活を素材とする柔軟なストーリーテリングを通じて、文学的教養と最先端技術の融合が試みられている。本教材の鍵概念「言語生活」は、人間とAIが互いに影響を与え合いながら協働する言語活動を意味し、その理解には創造的で批判的な姿勢が不可欠である。こうした視点からAIとの共生を考察することは、読み書き能力の再定義につながり、大学教育やリテラシー教育の再構築に資する。文系学問は、AIの技術的進歩に対する補完的・批判的な立場を通じて、その新たな使命と社会的価値を明らかにしていく必要がある。

利益相反に関する開示

開示すべき利益相反はない。

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引用文献

青山学院大学シラバス(2025年度)授業名「日本語日本文学情報処理法」「認知心理学特講B」

小塩真司(2020)『研究事例で学ぶSPSSとAmosによる心理・調査データ解析』東京図書

野口悠紀雄(2002)『「超」文章法:伝えたいことをどう書くか』中公新書1662

藤井輝夫(2025)「令和7年度東京大学学部入学式 総長式辞」https://www.u-tokyo.ac.jp/ja/about/president/b_message2025_01.html

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公開済


投稿日時: 2025-05-02 05:59:12 UTC

公開日時: 2025-05-29 08:19:10 UTC
研究分野
文学・言語学・芸術学