プレプリント / バージョン1

RSウイルス母子免疫ワクチンの接種実績報告

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  • 山中, 美智子 聖路加国際病院 女性総合診療部

DOI:

https://doi.org/10.51094/jxiv.1142

キーワード:

RS virus infection、 maternal and child immunity vaccine、 safety

抄録

妊婦への組換えRSウイルスワクチン(アブリスボⓇ)の安全性を当院での接種実績から検討した。
2024年6月から11月に当院で本ワクチンを接種した妊婦の背景と同年12月5日までに分娩に至った母児の周産期予後を,2023年に当院で分娩した母児を対照として,診療録から後方視的に検討した。母児はいずれも単胎妊娠とした。解析は,χ2検定またはt検定を用いた。
当該期間に本ワクチンを接種した妊婦は280名おり,接種時に対応を要する有害事象発症例はなかった。
母体年齢は25歳から47歳であった。接種週数は28週~36週で,分娩歴は初産214例(78.6%),経産61例(21.4%)と経産婦が少なかった。接種後分娩に至った206例について2023年の分娩例は1,431例を比較した。分娩方法は接種群・対象群に変化なく,緊急帝王切開も有意な増加はなかった。早産率,妊娠高血圧症候群発症率,分娩時出血量のいずれも両群間に有意差は認めなかった。児が十分な免疫を獲得するまでの接種後2週未満で分娩に至った8例は,35週と36週で接種していた。児について,出生児体重,出生時のApgar score7点未満,臍帯動脈血ガスpH7.1未満,NICU入院率はいずれも両群間の差は認めなかった。本ワクチン接種時に有害な事象は観察されず,周産期にも問題となる事象は生じなかった。

利益相反に関する開示

開示すべき利益相反はありません

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引用文献

) Kampmann B, Madhi SA, Munjal I, et al: Bivalent Prefusion F Vaccine in Pregnancy to Prevent RSV Illness in Infants. N Engl J Med. 2023 ; 388:1451-1464.

) Simões EFA, Pahud BA, Madhi SA: Efficacy, Safety, and Immunogenicity of the MATISSE (Maternal Immunization Study for Safety and Efficacy) Maternal Respiratory Syncytial Virus Prefusion F Protein Vaccine Trial. Obstet Gynecol 2025;145:157-167

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公開済


投稿日時: 2025-03-18 05:44:32 UTC

公開日時: 2025-03-21 05:34:05 UTC
研究分野
臨床医学