武江年表の活字本を用いた計量的考察
DOI:
https://doi.org/10.51094/jxiv.1038キーワード:
江戸時代、 旧暦、 武江年表、 斎藤月岑抄録
武江年表は斎藤月岑の書いた江戸時代284年間の年表で、正編8巻、続編4巻の全12巻ある。明治以降に出版された武江年表の3つの活字本を利用し、章タイトルの比較を通して年表の正確さを見た。活字本に誤りがある一方、原本の誤りも疑われ、月岑にとって古い年代に多かった。次に、3つの活字本から誤字脱字を補ったテキストを作り、武江年表の基本統計を見た。284年すべての年で記事があり、年間10大ニュース程度の年が多い。1つの記事は30字程度で、時に1,000字を越える長文の記事もあった。記事の内容では開帳、死亡、火事が多く、開帳は時期によって増える。続編は記事の数、頻度も増え、正編と別物といえる。最後に、武江年表に載る数字、暦の月の大小、日月食、人の年齢を調べた。記事の正確さが確認された一方、記事に洩れたものも多くあることが示された。
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引用文献
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投稿日時: 2025-01-10 15:24:00 UTC
公開日時: 2025-01-17 10:21:35 UTC
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梅村, 俊彰
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